2024年4月9日。3DSのオンラインサービスの終了に伴い、僕が愛してやまない「モンスターハンター4G(MH4G)」のオンラインサービスが終了した。
これはその終了間際、最後の2日間における僕のプレイ記録である。
2日間の主なプレイ内容は至高のエンドコンテンツと名高い「ギルドクエスト(ギルクエ)」の周回である。やってることの9割以上がこれであり、最後といえど目新しいことはない。いつも通りの周回作業である。
僕は基本的に自分の備忘録用にブログを書いている。ゲーム攻略記事なども第一目的は自分用である。そしてこの記事はそれらと同様どころかもっと酷い。僕の気持ちを文字にしただけの記事、もとい日記だ。しみったれたくなった時に読み返すものなので、表現はスカしてたり、クサかったりする。
なるべく恥ずかしくない文章にしようと試みたが、サ終である。感傷に浸りながらプレイし、合間に感傷的なことを考え、再度感傷に浸りながら文字起こししたのでどうにもならなかった。だって最後なんだ、しょうがないじゃないか。読む人にはその点だけ注意していただき、お手柔らかに解釈してほしい。
そしてこれも最初に言っておかねば。
今日まで4及び4Gで一緒に遊んでくれた皆さん、本当にありがとうございました。最高の時間でした。
プレイヤー紹介(いつものメンバー)
san05
僕。大学に進学し一人暮らしを始めた頃にMH4に出会った。
大学時代が楽しかったと思えるその理由の半分は、4と4Gが担っていた気がする。夕方までは大学へ、夜からはフレの待つギルクエ部屋へ。学生とハンターの二足の草鞋はまさに黄金時代だった。そんな僕も気付けば30を超えてしまった…。怖いね。
発掘防具コレクターで発掘キリンU一式か、生産と発掘混合のドラゴン、あるいはザザミZを着ている。最近はスキルの兼ね合いもあってドラゴン率が高い。
メイン武器は片手剣とライトボウガンだが、火力のためにヘビィボウガンを担ぐことも少なくない。ギルクエの主戦場はシャガルマガラ(以下シャガル)部屋とラージャン部屋で、前者の場合はocelotさんと、後者の場合はエイタさんと遊ぶことが多かった。
ocelotさん
リアフレ。プレイヤーネームは仮名。付き合いは長く、初代MHPの頃から一緒に遊んでいた。口数は少ないクールなタイプ。
4Gでは僕と同じ発掘防具コレクターであり、いつも発掘リベリオンか発掘ネブラを一式で着ている。メイン武器は片手剣だが、広く様々な武器が使える。ギルクエの主戦場はジンオウガ亜種(以下ジン亜)部屋とシャガル部屋。
ケイオスリングス3の攻略ページを作るにあたり、一部を手伝ってもらった人物でもある。僕が記録し忘れたデータを何度か回収してもらった(ボスの体力、弱点とか)。
エイタさん
MH4を通して出会った人物。プレイヤーネームは仮名。
元々は彼の妹さんと僕がフレであり、それがきっかけで仲良くなった。妹さんは比較的早期(重度ギルクエプレイヤー目線)に4及び4Gを離れてしまっている。
互いのリアルを知らない仲ながら、最も長く付き合いのあったフレンド。おそらく僕より年上で、面倒見がいい(面倒を見てもらっていた自覚がある)。
メイン武器は大剣と双剣。キルクエの主戦場はラージャン部屋。
プレイヤー紹介(この2日間で出会った人たち)
この2日間で出会い、共にクエストに挑んだ人たち。ギルカを交換しあった人を中心に、記憶に残った人をまとめている。フレと同じくプレイヤーネームをそのまま公開することは憚られるので、あくまで仮名である。雰囲気を残す感じでもじった。結果として別の実在プレイヤーと被っている場合があるかもしれない。
- ワイさん
- Songさん
- jujuさん
- 坂田金時さん
- ritzさん
- たけるさん
- 義人さん
- railさん
- SUKAMONさん
- HAKUSHUさん
- よう助さん
- イルカさん
- KEIさん
- リョウさん
使用した装備
発掘キリンU一式の剣士用装備。新旧両方のデザインが揃っている。主に片手剣やチャージアックスを使う時に着る。旧デザインは4時代から愛用。スキル構成はどちらのデザインでも同じ。この装備を作るためにどれほどの時間を注ぎ込んだことか…。1000時間?2000時間?
スキルは複合2種+α。この複合2種の部分は付け替え用に色々揃えていて、潔癖や秘伝、居合なんかもある。武器によって組み替えて使う。
見切り+1は耐震に付け替えることも可能。対ラージャンはもちろん、対シャガルでも翼腕の振り下ろし(通称:土下座)に回避で突っ込んだり、チャージアックスのガードポイントを無茶な角度から狙いに行ったりできる。
剣士の場合、大剣以外では基本的に回避性能+1は外さない。
発掘装備一式なので、テンプレ装備と比べるとどうしてもスキル面で見劣りする。特に弱点特効が必須と言われるラージャンとの相性はお世辞にもいいとは言えない。見た目以外の唯一の長所は高倍率の発掘防具なので防御性能が高いということ。発光防具で揃えているので防御も耐性もとにかく高い。
ステータス画像は後述のゴグマジオス戦で使ったもの。普段火属性を使うやつと戦わないのでマイセットがなく、その場でなんとか寄せ集めで火耐性11まで確保した。普段はジン亜用に龍耐性26のものを使うことが多い。
※ 発掘防具にはデザインとは別に、発光しているものとそうでないものがある。高性能なものほど光りやすく、レア10になると確実に光る。特別な効果があるわけではないが、生産防具と合わせる際は見た目がチグハグしないように非発光が好まれる。非発光でスキル点数が高いものを狙おうとするとその他の性能は低くまとまることが多い。
最近もっぱら着てたやつ。ガンナー用。生産と発掘の混合ドラゴン装備で、発掘部分は新デザインで統一。女性キャラには珍しいフルフェイスタイプの甲冑が特徴。ドラゴン装備はシャガルの報酬で出るので自然と集まった。
防御力が高い生産ドラゴン装備をベースに剣士用の頭装備を組み合わせているため、すんごい堅牢。大体のガンナーが即死する怒り状態のシャガルの滑空攻撃も耐える。その上一式としてはスキル構成も極めて優秀であり、ヘビィユーズも納得の一品。
反動軽減がないので生産武器とは基本的に相性が悪い。貫通特化構成で装填数UPがついているので、元々の装填数が多い発掘ライトで回し擊ちをすると楽しい。一度のフルリロードで20発の貫通弾を垂れ流せる。
なお、攻撃UP【小】の代わりに耐震や貫通弾LV1追加を付けることもできる。貫通弾LV1追加はライトボウガンの「ヴァイスorヴァーチ」用。この装備でまともに扱える唯一の生産武器である。
ザザミ亜種の生産防具をベースに、ザザミ原種の発掘防具を組み合わせたガンナー用装備。亜種と原種の混合装備なので正確には一式と言っていいのか怪しいところだが、発掘ザザミは新デザインに限り防具全体の色合いを変えられるため、全身を亜種の紫色に統一してそれっぽく使っている。
反動軽減を1つ下げることで耐震か見切り+1を付けることも可能。ただし反動軽減は+1より下には下げられず、発掘武器との相性は悪い。前述のドラゴン装備では扱えない生産武器を担ぐための装備であり、同じ貫通特化構成でありながら用途は完全に別物。
使用武器はヘビィボウガンであれば「ディスティアーレ」や「叛逆砲イーラレギオン」、ライトボウガンであれば「ダイヤモンドクレスト」や「叛逆弩ヴァルレギオン」、「狼牙弩【反獄】」など。
最近よく使うのは極限生命イーラレギオン(通称:生レギ)。地雷攻撃を処しやすくシャガルマガラが安定する。ソロでもオンでもシャガルをやるならこれが一番低ストレス。心理的余裕が手数増加につながり、結果攻撃スキル云々。
剣士用の頭装備を組み込んでいるが、ベースがザザミ亜種なので防御力はまずまず。装備スキルで根性が発動するので、食事スキルはネコの暴れ撃ち一択。
本当は腕を発掘にした方がスキルは盛りやすいが、見た目との兼ね合いから現在の構成になっている。
使用したチャット定型文
定型文の内容にもなんとなく思い入れがあるのでまとめておく。「楽しかったです、ありがとう♪」と「お邪魔してもよろしいですか?」の2つは長かったので後半が3点リーダーで省略されている。
ドンマイ系が多め。「気楽にいきましょ〜♪」と「まだまだ!これからです!」と「no prob♪」の3つ。
乙ってしまった時「ドンマイ」という形式的なものが並ぶと、人によっては冷たい印象を受けるんじゃないかと思う。毎回違う言葉がかけられるように選択肢を増やした。パタンと呼ばれる類の乙抜け(回線切断)をする人を減らしたいという思いもある。あれはやられる方も面白い気はしない。下手くそでも最後まで戦う人が望ましい。
全盛期は外国人プレイヤーもそこそこいたので、日本人にも通じる平易な英語の定型文もいくつか作っていた。「no prob♪」はその名残でもある
以下の3つの定型文はこの2日間のうちに追加された新しいものである。
- 最高の時間だったね♭
- またいつの日か、4Gで♪
- みんなで4G、楽しいね♪
なお、以下の2つの定型文が新しいものを追加する都合上、途中で消された。
- Z順で回しています
- 敵が寝ても攻撃続けてOKです
2番目について補足。ギルクエでは敵を眠らせた時、時間効率などの観点から基本的に爆弾は置かない。取り得る行動は2択。大剣に溜め3を譲るか、そのまま攻撃し続けるかだ。判断基準はパーティに大剣使いがいるかどうかである。
後者は睡眠を麻痺のようなラッシュタイムとして扱うということ。間髪入れずにそのまま攻め続ける。敵が寝始めてから攻撃が当たって起き、威嚇や咆哮をするまでというのは、麻痺には及ばないもののそれなりの拘束時間になる。麻痺武器が2人被るよりは、麻痺武器と睡眠武器1人ずつの別蓄積の方が拘束時間は長くなりやすい。
この文化はX以降の作品ではほぼ見ない。ギルクエプレイヤーの効率化を重要視する傾向と、高倍率良斬れ味の睡眠武器を無難に使うという目的。この2つの側面から徐々に浸透していったもののように思う。
よってこれは不文律的なものである。通じないプレイヤーも多い。これを周知するのがこの定型文の役目だ。似たようなものを用意しているプレイヤーもよく目にする。
1日目の記録(7日 17:00 〜 8日 8:00)
この日から寝る間も惜しんで4Gをするわけだが、8日と9日を完全に休みにするために仕事で無理をした。5日から徹夜プラス仮眠みたいなサイクルでここまで乗り切ってきたため、カフェイン飲料のデバフもあって既にお腹の調子が悪い。
初っ端から下痢報告とかどうなってんだ。閑話休題。
発掘防具を集めている僕は装備ボックスがいつもカツカツだ。前日までに集めたものを整理し、なんとか3〜4個の空きを作ってオンラインへ。最初はocelotさんと通話しながら、彼の建てたジン亜部屋にて合流した。
ひとまずはこのままジン亜部屋で回し、ある程度うまい人が揃ったらz順回しの部屋に移行する手筈。僕自身が部屋を建てないのは我が家の回線があまり強くないためだ。エリアホストもocelotさんに譲る。2人で遊ぶ時は大体この流れが多い。
2014年発売のゲームであるので、登場から10年になる(4から数えれば11年)。それでも日曜の夕方ということもあって、プレイヤー層にはかなり厚みを感じた。定期的に復帰してプレイしていたとはいえ、普段この時間にオンに潜ることはなかったのでやや新鮮。4G発売当時の混沌とした雰囲気が味わえたように思う。
この時午後5時。深夜帯に比べると初心者が目立つ。非ギルクエ部屋も多いが、サ終を知り戻ってきた復帰勢だろうか。
もう一つ目立つのが迷惑プレイヤー。
戦闘中に小タル爆弾をおきまくるやつ。まだこういうのいるんだなぁ。ここまで露骨な人は久しぶりに見た。ゴールデンタイムというやつは未知の樹海よりよっぽど未知だ。しかし翌日にオンラインサービスを終了するゲームである。これをするためにわざわざ復帰したのだろうか。まじめか…?
戦闘中に大タル爆弾を置く人もいた。混戦しているので味方の攻撃が当たって即起爆する。意図的かはわからないが、味方を吹き飛ばす行為には変わりない。
集会所に戻った後ocelotさんに注意を受けていたが、2戦目でも同じことをしたため、ブロックリスト入りからのキックというカムバックを許さぬ黄金コンボを食らっていた。この光景も久々だ。僕はタイムスリップでもしてるんじゃなかろうか。
謎の爆弾攻撃を除いても、追尾弾を多用してくるジン亜は事故が多い。他プレイヤーを狙った攻撃に巻き込まれるのだ。弾速も速いので走り回って逃げる初心者がいるとなかなか楽しいことになる。視野の外から撃たれる撃たれる…。とてもじゃないけど避けられない。最近は2人だけで遊ぶことも多かったので、こういうヒーヒー言いながらのプレイというのも懐かしい。
ただ、そんな感じのプレイヤーが混じるので、メンバーは入れ替わりが多い。乙抜け(俗にパタンというやつ)×2という後がない状態からの、2人だけでクリアというパターンも多かった。
この流れが変わったのは9時を過ぎた頃だろうか。キッズゴールデンタイムの終焉だ。これはこれでいい思い出になったけど…。
ワイさんとSongさん。この2人が入った合計4人で部屋が安定する。2人ともこなれたギルクエプレイヤーのようだ。z順で部屋が回るようになった。さっきまでとの差が大きすぎてなんか感動した。
しばらくしてSongさんが就寝のために抜け、jujuさんがイン。この方も上手なハンターさんだった。
選手の交代から2クエスト後。ocelotさんは翌日も仕事があるため、0時前後に部屋を解散。最後にワイさん、jujuさんとギルカを交換した。ラストラン記念。これは思い出になるなぁ。ギルカ交換の必要性を改めて実感。
Songさんとも交換しておけばよかったなー。
* * *
さてさて、僕はまだまだ時間があるので、ひとまずボックス整理をしてから野良へ。とその前に、ここで一つやっておきたいことがあった。定型文の編集だ。今日ここまでのプレイでは昔の混沌感も、上手い人と遊べた時のサクサク感も味わえた訳だけど、何か足りない感も同時にあった。その原因がチャットのワイワイ感だ。
そんな訳で馴れ馴れしくフレンドリーかつ今にふさわしい定型文を作った。
- 最高の時間だったね♭
- またいつの日か、4Gで♪
そんな定型文で大丈夫か?大丈夫だ、問題ない。(反語)
ていうか最終日なんだからもう恥はかき捨てで行こう。印象に残る最後にしたい。
* * *
そして野良へ。さっきはジン亜ばかりだったので、ひとまずシャガル部屋に入ってみることにした。検索するとランサーが2人の部屋があったので片手剣に持ち替えて参加。
坂田金時さんとritzさん。大体クエストの成功率が1/2くらいの感じ。やや低い?坂田金時さんはあまりハンターランクも高くないし、ギルクエは慣れていなさそう。ritzさんは後にギルカを見てわかることだが、ラージャンがメインのようでシャガルの討伐数は少なかった。
それでも乙抜などないし、部屋としては居心地が良かった。僕が成否をあまり気にしないということもあるが。
特に坂田金時さんはこまめにチャットしてくれる人の印象。ゲームを通した人との触れ合いというか。やっぱり最後はここを重視したいと思えた。
ritzさんが普段狩らないシャガルと対峙しているのも、何か最後に対して思うことがあっての部屋選びだろうか。4系統の主役モンスター(異論は認めません)だしね。
途中でたけるさんという方が入って4人のフルメンバーに。4時過ぎまで遊んだだろうか。居心地はいい部屋だったので、片手剣以外にもライトボウガンとか色々使えて楽しかった。上手い人が集まってもあまり会話のない部屋だと武器変えるの怖いんだよね。特に片手やライトは弱武器だから。良発掘以外怖くてなかなか担げない。
「蛇帝鉈エスカマデュラ」と「ヴァイスorヴァーチ」は一足早く、この日がオンラインの担ぎ納めとなった。
最後はみんなとギルカ交換をして別れた。
san05「最高の時間だったね♭」
san05「またいつの日か、4Gで♪」
めっちゃいい定型文だな!!(自画自賛)
軽くボックス整理をして朝6時。とうとう部屋がなくなってきた。
ジン亜もシャガルも見つからず、ラージャン部屋ですら指折り数えられる程度。全て大剣かハメ部屋らしきライトとヘビィセットなので僕には入れなさそうだ。
ここでこの日の狩猟を終えることとした。
2日目の記録 前半戦(8日 17:00 〜 9日 4:00)
いよいよ最終日。
ocelotさんも翌日に休みをとっているので、この日は最後までぶっ続けで遊ぶ手筈。
ただし、彼のイン時間までまだまだ余裕があった。
最終日ということもあって誰かフレンドが入ってくるかもと思い、フレンドのみパス不要の部屋を建て、日課のボックス整理を始める。今日からサ終までぶっ続けでやる訳だから、いつもより念入り。10個分くらい空きを作りたいが。
いっそ生産武器は売るか…?
そんなことをしているとエイタさんが来訪。なんでもいろんなフレに挨拶回りをしているらしい。
僕のプレイ時間は4300時間くらいなのだが、彼はギルドカードの表示を見るに9999時間59分でカンストしている。サブデータも持っていたはずだ。最盛期に比べてご無沙汰気味だった僕より、今日までコンスタントに4Gをしていたのだと思う。フレンドも今でも活動している人が多いのだろう。
サ終まで寝ずに遊ぶことを伝えたところ、それならまた後ほど遊びに来るという。エイタさんには僕と同じかそれ以上に、このゲームを通して色々な出会いや思い出があっただろう。彼が1人でも多くのフレと最後に遊び、時間を共にできたなら…。そんな思いで部屋を後にする彼を見送った。
* * *
優柔不断で物を捨てるのが苦手。ボックス整理はあまり捗らなかった。とりあえず野良で時間潰すか。
シャガル部屋を検索してみるとヘビィボウガンの人が部屋を建てていた。自分もイーラレギオンに持ち替えてお邪魔することに。
ヘビィボウガン使いの義人さんと、双剣使いのrailさんの部屋。
遠距離武器と近接武器が混じってる部屋は戦いやすさの観点から好まれないことも多いが、僕は好きだ。各々が好きな武器を持つことを許容してくれる部屋というのは、部屋主(ホスト)がおおらかで居心地がいい傾向が強い。
そもそもだが、ヘビィボウガンばかりが集まっている部屋に僕はやや恐怖心がある。ヘビィボウガンは4Gの武器全体から見ても強武器であり、効率性を至上とする人が多いのだ。一式防具で入ろうものならこちらが蜂の巣にされかねない。手荒なプレイヤーともなるとダメ出しと暴言を装填速度+3くらいで浴びせてくる。
そんな訳だから今回この部屋を選んだのも必然というものだ。
そしてクエスト成功率は高い。100パーセント。途中でSUKAMONさんという方が入ってもそれは変わらずだ。この方もとても慣れている。僕が参加していた間、クエストの失敗は一度もなかった。
シャガル部屋はグダる時はもう本当にグダる。ランダム地雷攻撃はガンナーであっても即死するような技ではないが、とにかくこれが苛烈なのだ。被弾に運が絡むので長期戦になるとプレイヤースキルに関わらず当たる頻度は増す。手数が出せないプレイヤーが多いと中々しんどい。例えばガンナーであればリロード中に足元に発生したらもう避けられない(だからこそ他所に比べると極限生命イーラレギオンに一定の支持がある)。
単純な運ゲーというわけではなく、プレイスキルで運要素が入り込む余地をいくら削れるか、というのがシャガルとの戦いなのだ。この2日間、プレイングにおいて一番充実したシャガル部屋はここだったように思う。攻めあぐねる人は1人もいなかった。
また、シャガル部屋としてしっかり連戦できたのもこの部屋が最後になった。思えば4の頃からずーっと戦ってきた。当時の最高レベルであるLv.100クエストを初めてソロクリアしたのもシャガルだった。プレイ歴こそ長いモンハンシリーズだが、僕をやり込みプレイヤーとして育ててくれたのは彼で間違いない。育ての親だ。
やはりシャガルはいい。最高のモンスだ。シャガルをクソモンスだとか言うやつはほんとわかってない。勿体無いぞ!
退室前にみんなとギルカ交換。ocelotさんとの合流時間が近づいてきたので、名残惜しくも部屋を後にした。
san05「最高の時間だったね♭」
san05「またいつの日か、4Gで♪」
この定型ほんといいな(自画自賛)。最後っぽい特別感がある(自画自賛)。
* * *
ocelotさんとの合流の前に、ギルカを編集した。称号を「樹海のハンター」に、そして自己紹介をみんなへの最後の挨拶に。感謝を伝えると共に、いつか見返した時今日を思い出せるものにしたかった。
ご飯とお風呂を済ませて10時半、いよいよocelotさんとの合流。待ち合わせはいつも通りのジン亜部屋。このいつも通りも明日で終わる。
LINEでocelotさんに画像を送った。メタルギアソリッド3のゲーム内ムービーのキャプチャー。ザ・ボスがスネークに「人生最高の10分間にしよう」と告げるシーンだ。チャットの定型文「最高の時間だったね♭」も、このフレーズから来ている。僕の人生で何か名残惜しい出来事がある時、度々脳裏に蘇るシーンである。
ocelot「最後に相応しい誰歓ジンオウガ亜種部屋を建てたよ」
誰歓とは誰でも歓迎の略。ここからがクライマックスだ。
* * *
しばらくするとHAKUSHUさんという方が入室。この人さっきまで別のジン亜部屋を建てていた人だな。自分がインする前、現在のジン亜部屋状況が知りたくて検索をした時見かけていたのだ。まだ人は集まっていなかったので、この後こっちに入ってくるかもなーという気はしていた。
ocelotさんに聞いてみたところ、フレではないが知っている人だそうだ。一緒に遊んだことがあるらしい。そう教えてくれる声が嬉しそうに聞こえる。
ocelotさんは人見知りをする方なので、自分からフレを作ることはほぼない。それでも何度か一緒に遊んだことがある人には愛着があるようで、ここ最近、知っている人が全然いないとボヤいていた。きてくれて嬉しいとは僕にも相手にも一言も漏らさないが、話しぶりからなんとなく高揚感が伝わってくる。こういう距離感もゲームならでは、かもしれない。
その後何度かプレイヤーの入れ替わりがあり、何戦かののちワイさんとSongさんが来てくれた。昨日ぶりのメンツだ。こういう再会はやっぱり嬉しいね。
クエストはz順回しに。久々にセルレギオスとも戦った。ほとんど戦わないモンスターなので武器選びに悩む。最適解がわからないまま、結局ヘビィボウガンを担いだ。高火力武器でやられる前にやろう、という判断だ。
いやーほんと怖いな。飛んできた鱗の炸裂「バンババン」で剣士さえ死ぬ。慣れないモンスターも新鮮だ。
そんな最終日も3時を回ろうかという頃、ワイさんと入れ替わるようによう助さんという方が部屋に入る。まさかあんな展開になろうとは…。
我がモンハン4G史上一番長く、濃い1日となった。
* * *
よう助さんの腕前は、「ザ・普通」という印象。可も不可もなくというところ。ただしギルクエにはあまり慣れていなさそうで、少なくともシャガルやジン亜の動きが頭に入っている風ではなかった。
挨拶やチャットは丁寧に返してくれる方だったので、とりあえずこの段階では特筆するところは感じない。あえて言うなら「グレートですよ、こいつは!」という定型チャット。ジョジョ好きなんだなあ。僕も第4部好き〜。
何戦かしていると、昔はよく見た光景が起きた。寝落ちである。待てど暮らせどSongさんが集会所に戻ってこない。
プレイヤー名がグレーアウトしたまま。集会所ロビー内であれば、寝落ちプレイヤーの近くで掛け声や拍手などをよく行ったものだ。騒いで相手を起こすのだ。しかしクエスト終了後のセーブ画面で寝落ちされるともうどうしようもない。いやー。最終日にもお目に掛ろうとはね…。
ocelotさんと通話で相談。どうしよっか?部屋畳む?そろそろお互いボックス野明も心配だし小休憩挟もっか?
その時、ゲーム内チャットでよう助さんが提案した。
よう助「もしよろしければ、最後にゴグマジオス3人でやりませんか?」
よう助「思い出のクエストなんです。」
なんでも4Gが最新作であった小学生当時、友達とこのクエストでよく遊んだのだそうだ。予想外の提案(と年齢差)にちょっと驚いたが、反対する理由もないので承諾。最後だしクリアして気持ちよく終わろうということで、強化個体ではない普通のクエストをこちらから提案。よう助さんも同意してくれた。
防具はどうしよう。普段戦わないモンスターなのでいいマイセットがない。それこそ10年近く戦っていないモンスターだ。とりあえず発掘キリンUから火耐性が高いものを寄せ集めて着てみた。スキルを加味すると思ったほど耐性は伸びなかった。せめて炎やられ無効くらいできるかと思ったのに、ほんと付け焼き刃にもなってない。
ocelotさんも同じようなものだった。発掘リベリオンから火耐性の高いものを見繕ったみたいだ。テオと戦わない我々は火属性と縁がないのだ。
そしてよう助さんの装備。驚愕のゴグマジオス防具一式。全箇所総合して火耐性は圧巻の-20。さっきまでごく普通のテンプレ構成していたのに!
なんでも思い出の装備なんだそうだ。ならしょうがないね。我々も見た目で選んだ発掘装備だしね。むしろこんな部屋だし他所より着やすかろう。さすが誰歓部屋は懐が深い。
さて出発。と、ここで再び衝撃が走る。「高難度:頽廃の沼」。あれ?強化個体じゃね?ゴグマジオスは強化個体クエスト2つあるからね。勘違いも仕方ないね。
こりゃ僕1人で3人分死ぬかもなーとか思いながら、出発のラッパの音を聞いた。
* * *
超大型ボスモンスターなのでクエスト開始後にムービーが入る。ハンター一同が町の城壁に立って巨大な敵を見上げるシーンだ。なんとなく進撃の巨人を思い出す。あれが爆発的ヒットをしたのも自分が大学生の頃だった。
クエスト受注者であるよう助さんがムービーの主人公ポジションに当てはまるわけだけど、見てくれがどうもおどろおどろしい。着ている防具は黒光りだし、なんか4つくらい目玉がある。君もモンスターなんじゃないか…?
どっちが勝っても街はやばそうだなぁ。そんな気持ちで眺める、僕は脇役B。Aの座は僕より幾分真面目なocelotさんに譲った。
しかし彼はここからが凄いのだ。いや、ほんとに。いざ戦闘が始まると、よう助さんの闘いっぷりは凄まじかった。
これまた思い出の逸品であるというガンランス、「エンパイア」片手に巨大な龍をちぎっては投げ、ちぎって鼻毛は投げ…。迎撃設備もしっかり活用。備え付けの撃龍槍や移動式大砲もちゃんと当てる。
昔取った杵柄というのか。街を守る歴戦の勇者であった。友達と一緒に腕を磨いたのだろう。僕もMHP3くらいまでは中学高校の友達とPSP持ち寄って遊んだっけ。楽しかったなぁ。あの頃は同級生のM君の家がリアル集会所だった。
そんな感傷に浸りつつ、僕は城壁の下で右往左往の白兵戦と相成った。ギルクエだー発掘装備だーとうつつを抜かしていた僕は、迎撃設備の使い方が全く頭に入っていない。特別な技能や資格をお持ちでないものは末端で働くのが世の常だ。
ocelotさんがどうだったかはよくわからない。自分のことで必死だったから。よう助さんの粉塵に一体何度助けられたか。チャット欄は彼へのありがとうで埋まった。
戦闘が佳境に入ると重油で固まっていたゴグマジオスの翼が開き、空へ飛び上がる。やっべえぞ。なんかいっぱいバンバン撃ってくる記憶がある。ocelotさんの「一旦退こう」の声で戻り玉。樹海で揉まれた歴戦のギルクエハンターは危険を感じとる嗅覚が鋭いのだ!!(言い訳)
バンバンするやつが終わったかなーという頃合いで戦線復帰。よう助さんは-20のハンデもものともせず戦い続けていた。かっこいいな…。
巨龍砲使用許可が出た。
説明しよう!「巨龍砲」とは、アイテム「高密度滅龍炭」を用い、北側の高台に移動させた移動式大砲から放つ、「対巨龍最終兵器」である!(CV:富山敬)
僕は正直一度も撃った記憶がない。高密度滅龍炭を作ったことすらない。上記の情報も記事を書くために今調べた。誰が撃つとか示し合わせてもなく、クエスト中は定型文しか打てないチャットではどうしようもない。ocelotさんとなら会話できるけど…。
しかし、どうやらよう助さんが移動式大砲を北の高台まで走らせているように見える…。かの勇者が撃つのか…!?
だとしたらゴグマジオスをこちらで引きつけて、着弾位置まで誘導しなくてはいけない。同じく勝手の掴みきれていないocelotさんとあーだこーだ言いながらあーでもないこーでもないやって、きっと彼が撃ってくれることを祈りつつ拘束弾を打ち込む。
そして程なく放たれた巨龍砲は放物線を描き、ゴグマジオスを大地に打ち倒した。BGMが「英雄の証」に変わる。
奴の背中から落ちた初代撃龍槍。ちょうど僕の目の前だ。でもなんだか、これをかの巨龍に打ち込むのは僕ではない気がするなぁ。すると高台から駆け降りてきたよう助さんが見えた。彼に託そう。
彼が初代撃龍槍のスイッチを押すと、勇ましい音楽の中、ゴグマジオスは再び倒れ伏した。最終日マジック的なやつもあるのだろうか。感慨深かった。未知の樹海で数々の強敵と戦った記憶があるけれど、そのどの思い出も凌駕したような気がした。
自分はどっちかっていうと脳筋プレイヤーで、これはゲームに限ったことではないけども負けず嫌いなタイプだ。ゲームであればいかに自分がいいプレイをできたかが至上である。自分の部屋であれば片手剣で頭の前に陣取る。ハンマーにだって譲らない。
完全に脇役であったが、本当にいい経験をさせてもらった気がした。「英雄の証」が彼にとても似合って見えた。
彼は今どんな気持ちだろうか。楽しんでいるだろうか。おしゃべりして遊んでる我々と違い、今彼は1人黙々と3DSと向き合っている。4Gに戻ってこなかったあの頃の友達の声が聞こえているのだろうか。あの時と同じか、それ以上に、楽しんでいるのだろうか。
程なくしてみたび大地に臥した巨龍は完全に活動を終えた。
集会所に戻る。最高の終わりだったと、よう助さんは言った。
自分とは違う世代の人の思い出の、その一端に触れさせてもらえたようで、なんだか嬉しい気持ちになった。小学生の頃の思い出。振り返れば今でも鮮明に思い出せる。もう20年あまり昔のことなのに輝きは失われていない。あの頃は誰とでも仲良くなれるバイタリティが、僕にもあった。
よう助「グレートですよ、こいつは!」
3人でひとしきり思い出話をした後、いかにも主人公然とした一言を残し彼は去った。ありきたりなテンプレ装備を着ていた時よりも、何割増しにもカッコ良く見えた。
今一度、彼にお礼を言いたい。ゲームでこんなに興奮したのはいつぶりか。プレイ時間にして30分にも満たない。たったそれだけの中に、今までのゲーム人生で最高のものが詰まっていた。僕にとっても最高の時間だった。彼はグレートだ。
そしてSongさんはグレーなままだった。
2日目の記録 後半戦(9日 5:00 〜 9日 9:00)
Songさんは相変わらずグレーアウトしている。グレーですよ、こいつは!
よう助さんとの別れ際に3人でギルカを送り合ったので、目が覚めた時、それが届いているかもしれない。そうだと嬉しい。Songさん、眠たい中ありがとう。
彼にチャットを残し、我々も集会所を出た。2日連続でご一緒したSongさんであったが、とうとうギルカは交換できずじまいになってしまったのは悔やまれる。
ocelotさんとは1時間弱の休憩ののち、再度合流する手筈だ。一旦通話も切ったのでしばらく1人の時間。発掘防具を整理しないとボックスの空きがもう1つしかない。
* * *
静かになると思い出があれこれ蘇る。ギルクエで徹夜して翌日寝ずに大学へ、なんてことが何度もあった。
徹夜でゲーム。本当に楽しいな。でも昔より体がキツい。ここ数日の無理も祟ってお腹が痛い。僕も歳をとったんだ。体の衰え。
こんな僕が結婚するなんてなぁ、なんてスカしたことまで考えるようになる。寝不足のなせる技だ。シラフじゃこうはいかない。妻は寝ずの龍退治に出る僕へおやつを用意してくれた。ドライ納豆とキットカット、そして白い恋人。キットカットは受験生にも人気な縁起物だからね。こういう節目にもってこいだ。白い恋人はお土産の定番だし、納豆なんて国民食だ(?)。
ゲームで徹夜なんて何年ぶりだろう。後にも先にも4Gだけかもしれない。またこんな名作に会えるだろうか。
名作自体は過去数度出会っている。このブログでお馴染みのケイオスリングスもFFTAもそれだ。でもMH4Gはそんな名作たちの中でも頭一つ飛び抜けていた。
ゲーム内の記録を見るに僕は4300時間ほどをこのMH4Gに注ぎ込んだらしい。それだけやったのに、まだ手に入っていない発掘装備がたくさんある。
メイン武器の片手剣で言えば、持っている実用レベルの品はほとんどがゴールドマロウだ。マスターバングやタバルジンがもっと欲しい。完全なゴール武器(いわゆる理論値に該当するもの)は太刀とチャージアックスに一本ずつ。太刀はそもそも使わないし、チャージアックスも氷属性なのでラージャン専用だ。メインの片手剣とライトボウガンはゴール武器未取得。とうとう最終日の今日まで手に入らなかった。
防具に至っては欲しいものがよりたくさん、それも具体的にある。原種キリン一式に、生産防具と合わせるためのインゴットにレウス。ザザミはもう少し改良の余地があるし、キリンUも非発光のものがもう少し欲しい。
防具に限れば、あと2000時間前後で今思いついているものはある程度集まるだろうか。それでも全発掘防具の1割にも満たない。
本当に懐の深いゲームだったなぁとつくづく思う。どんなに遊んでも、まだ遊ぶ余地が多分にあった。最近のゲームみたいに長いサポートや追加アプデなどなかったのに。奇跡的で絶妙なバランスの上に成り立っているような。難易度と報酬のバランス。
でもボックス容量は足りなすぎなんだよなぁ。惜しい。
昔は一緒に防具を集める仲間が沢山いた。みんな息災であろうか。仲違いしてしまった人もいた。
ゲームはいろんな人と知り合える。現実世界の交流は同じ学校内や職場内、関係機関の人が関の山だった。
自分と同じようなステータスというか、立ち位置というか、そんな人同士で集まりやすい。ゲームは全く違う世界の人とも知り合えた。それこそ自分は当時学生だったけど、年上の人もたくさんいた。いろんな分野、業種の人。だから楽しかったし、難しいところもたくさんあった。
大人になるにつれ、そういうとこに煩わしさを感じるようにもなった。子供の頃は誰とでも仲良くなれたのに、おとなは難しい。話が合わずすれ違いが増えた。心が衰えたのかもしれない。忍耐か。頭が硬くなったのか。
そんなこんな考えつつボックスに8つほど空きを作った。やや力技で生産武器が何個か売り飛ばされてしまった。
そしてまた一つ、新たな定型文を作った。挨拶ではなく、クエスト中に使えるものが欲しかったのだ。
- みんなで4G楽しいね♪
別れ際でなく遊びながら、今のこの気持ちを共有したい。そんな気持ちで作った。こんなことが思えるのは、きっと今日までの出会いが良いものであったからだ。
いろんな思い出が蘇る一方、すごく存在感を放っているヤツがいる。ついさっきのゴグマジオス戦の存在感だ。興奮が覚めやらん。
* * *
ocelotさんと合流。開口一番、両者共に同じ話題が口を衝く。「さっきのゴグマジオス戦すごかったな」、「あれが今日のハイライトだな」。
かくして最終日、後半戦の幕開けである。
ひとまずギルクエジン亜部屋。ocelotさん的には最後はジン亜で締めたいらしい。しかし前日である8日がそうであったように、6時を過ぎると人がガクッといなくなることを僕は経験している。今日は平日。徹夜をしつつも眠い目を擦りながら仕事や学校に向かった人も多かろう。人集めに苦労しそうだ。
そんなタイミングでエイタさんが登場。しかし彼もこのあと仕事らしい。彼との最後のクエストはジン亜ラー。これを2戦した。
遊び納めが僕の部屋であったことに嬉しさを感じつつ。名残惜しさも。
ゲームで出会った人の中で、彼は一番長い付き合いだ。
彼はいつも大人だった。もちろん年齢のことだけではない。何か揉めても自分から折れてくれる人。自分に落ち度がなくても矛を収める人だ。僕にはないものを持っていた。
その人柄ゆえ、彼のラージャン部屋ではたくさんお世話になった。迷惑もかけたと思う。いつもは僕が訪れる側だった。
発掘防具一式というのはなかなか肩身が狭い。いわゆる見た目重視の装備だからだ。例えばラージャン部屋で優先度の高い「斬れ味系スキル」「弱点特効」「挑戦者」「耐震」の同時発動が難しい。人の部屋に入っても蹴られやすいし、自分で部屋を建てても人が出ていく。シャガルに比べて効率重視の気が強く、僕にはやや場違いな感があった。
あと見た目が一式だと、詳しくない人からいきなり中坊扱いされることもある。
効率重視なのは罠が効くからという理由もある。つまりハメ部屋も多い。
僕は遠距離武器はライトボウガンをメインとしているが、これを担ぐといわゆる拘束役のサポートガンナーだと誤解を受け、攻撃全振りのハメ用装備の人がどっと来る。僕は動かない的を撃ち続けるようなプレイがあまり好きではなかった。攻防を楽しみたい。装備からプレイングまで効率度外視で、ラージャンハンターとの相性は最悪だったのだ。
自分で部屋を立てるにもライトボウガンは使えない。かと言って片手剣は弱武器との誹りを受けやすく、やはり不人気で人が来ない。そんな僕が好きな防具を着て、好きな武器を使って遊べる部屋がエイタさんの部屋だった。
そしてocelotさんを除けば、僕のフレで唯一最後まで4Gにいた人だ。最終日までに再会できたのは彼だけであった。
みんなXからサンブレイクまで、次へ次へとステップを進んでしまったか、モンハン、あるいはゲーム自体をやめてしまった。僕も携帯機でできるX、XX、ライズ、サンブレイクは全て履修した。もちろん一通りクリアもしている。が、どうもクリア後のやり込みが物足りなく、4Gに戻ってしまうのだった。
リアフレのocelotさんもそうだったし、エイタさんもそのようだった。
「ゲームはいろんな人と知り合える」とさっき書いた。それは実際そうだったし間違いない。ただし、知り合った先、その後も交流が続くかどうかは別問題だった。
結局はリアルというか、実社会というか、そっちと同じだ。似たもの同士が集まってしまったと言うことだ。少なくとも僕は自分と似た者を求めた。僕は違う価値観を許容できなかったのだろう。
寝不足になると変なことばっかり考えるな。
みんな手慣れている。クエスト2回なんてあっという間だ。それでも最後に遊べて嬉しかった。エイタさん、今日までありがとう。
* * *
エイタさんを見送ったあと、待てども待てども人が来ない。やっときたかと思えば、クエストを見て去る人も。クエスト中に乙離脱する人もいる。最後まで自分の失敗に厳しい人なのだろう。殊勝なことだ。いや、殊勝すぎるだろ。自分に甘くなれよ。
安定してクエが回らず、狩猟時間より待ち時間の方が長い。あまりに長すぎて僕は不安になってきた。
我々2人はリアフレだ。持ち寄って遊ぶこともできる。2人だけで回したのではオンライン最終日の意味がない。そんな焦りから一つ提案した。
「あと10分待って人が来なかったら、シャガル部屋に切り替えよう」
かくして我らの部屋は大人気ラージャン部屋と相成った。そう。ジン亜どころかシャガル部屋でも全然人が来なかったのだ。
検索してみるとジン亜部屋は自分達以外に1つしかなかった。しかもなぜかダラ・アマデュラが貼られている。実質0部屋。プレイ人口がほぼ0だ。
対してシャガル部屋はあるにはあったが、空きがあるのが2部屋だけ。ちゃんとシャガル部屋ではあるようだが、ここから人が増えるとも思えない。おそらく減る一方。サ終まで完走できるか怪しいところ。
できれば最後の瞬間は知らない人も併せて4人でワイワイ迎えたかった。そこから導き出された答えがラージャン部屋である。なんと検索結果が5/5ページ、つまり空きのある部屋だけで20部屋以上ある。多少出入りがあっても人数は維持できそうだ。一時期モンキーハンターだなんだと揶揄された4G。でもラージャンがいてくれて本当に良かったね。
ということで貼るクエストはジン亜ラー。さっきエイタさんと遊んだクエだ。結局ジン亜部屋じゃねーか!!ocelotさん的にはジン亜2頭が良かったらしいが、こんなのほぼジン亜2頭も同じである。二の腕を見てみろ。どっちも似たようなムキムキじゃないか。シャガル部屋で締めたい気持ちを諦めた大人な自分を褒めたい。
クエストを貼ると、あっという間に2人入って部屋が埋まった。大盛況。さっきまでの部屋みたいに盛り上げたくて、クエスト中も定型チャットを連発する。
san05「みんなで4G楽しいね♪」
みんな全然喋らないので僕1人で滑ってる形だ。ocelotさんも新しく入ってきた人たちの様子見をしているようである。通話ではあーだこーだ言いつつも、ゲーム内チャットでは無口なのである。
ヤバいな。このままだとみんな僕がイタい奴であるとあらぬ誤解をしてしまう。部屋解散の危機だ。こいつキモいな、ネカマじゃね?ひえー、許して!
と思ったけど杞憂だった。何戦かしていると、みんな徐々に思い思いの定型チャットをつぶやくようになった。ocelotさんまで最初からフルスロットルだったら危なかったかもしれない。
誰かが僕のチャットに合うように「まだ終わりたくない」的な定型文を呟いた。わざわざ用意してくれたのだろう。
san05「まだまだ!これからです!」
これは誰かが2乙して後がない時、フォローとして使ってきた。ドンマイ的なやつを無味乾燥な決まり文句にしたくなかったからだ。まさかこんな感じでフィットするとは思わなかった。
もう2時間もすればサービス終了。でも、まだまだこれからか。狙って用意した言葉ではなかったが、自分の発したこの言葉に自分自身も後押しされた気がする。きっと最後の瞬間まで楽しいはずだ。
ジン亜クエではスラッシュアックスが出土する。
極限化せず肥やし玉も効き、報酬の質も量も悪くない。スラッシュアックス使いにそこそこ人気のモンスターだ。この2人はスラッシュアックス使いらしく、動きからジン亜に慣れていることが見てとれた。
皆の動きがシンクロする。上級者が集まると起きるやつだ。敵の動きを熟知しているから、皆が一様に最適解をとる。モンスターは怯み、暫しコンボから抜けられなくなる。
* * *
おおよそ8:00。しかしイルカさんの動きがおかしい。ラグとかではなさそうなのだが、反応が遅く攻撃を避けきれていない。サ終まであと1時間。もう早朝どころかしっかり朝である。そう。眠いのだ。
「この人だいぶ眠そうだね」
そんな話を交わしたあたりから、自分達の動きもおかしくなった。時計を確認して眠さを自覚してしまった。一度こうなるとみんな動きがザツである。あっという間に眠気が伝播。脳みそレベルがラージャンになってしまった。ヘビィを担いでいたのに、ライトの癖でフルリロードを試みる。おかしいな、装填されねえぞ?
自分も含め結構みんなあちこちでボコられているが、そこは腐っても樹海育ちのギルクエハンター。リカバリーはうまい。睡魔に押されつつも、クエスト失敗は一度もなかった。
この頃になるとみんな饒舌だ。ていうかなんかチャットで喋ってないと寝ちゃう。会話として成り立ってるか怪しいが、クエスト中もみんな賑やかだ。
3戦目くらいからz順の回し部屋になっていたのだが、思考力の低下もあって「今やったのと同じクエで」と言う人が増えた。僕もだ。もうクエスト選びも装備選びもできません。今背負ってるやつで戦い続けます。そういうスタンスに切り替えた。
そんなこんなで8時57分を過ぎた。あと3分。もうクエストのクリアは厳しい。みんな大老殿のロビーに集まる。
KEI「最後の戦いがジン亜でよかったです」
イルカ「ほんと楽しかったあああああ」
san05「最高の時間だったね」
ocelot「お付き合いいただきありがとうございました」
残り10秒を切る。
san05「またいつの日か、4Gで!」
ocelot「またお願いします!」
イルカ「またねーーーーー」
KEI「最後の戦友ーーーーーーー!」
みんなで手を振ってお別れだ。
2日目の記録 延長戦(9日 9:00 〜 9日 11:00)
……。
あれぇ?間違いなく9:00は過ぎているのに、一向に回線が途切れる気配がない。一体何が始まったのだ?
YouTuberの配信を見ていたイルカさんとKEIさんが教えてくれた。
イルカ「順次消えていってるぽいですよ」
KEI「一度落ちたらもう入れない感じか」
後々わかる正確な情報とはやや齟齬があるものの、自分もTwitter(X)などから情報を得て大まかな状況は掴めた。しかし情報収集がYoutuberとは。いやはや、この2人も我々より若そうだな。2人とも見ている配信者は違うようであり、名前を教えてくれたけど僕もうついて行けない。
そんなこんなで終わり時を失った我々は、どういうわけか眠さに震えながらファッションショーを始めた。
最後にスラッシュアックスのジン亜クエを回していたこともあって、まずは今まで手に入れた発掘スラッシュアックスの品評会。みんな自慢の武器を担いでポーズを取る。
僕はモーターバーストしか持っていないが、流石みんな結構持ってるね。外見はやっぱり竜姫の剣斧が人気みたいだ。確かにかっこいい。バサルモスとクック亜種で手に入るやつだ。つまり右ラー。次点で激流斧。こっちはイビルジョー産が一般的か。
次に発掘防具品評会。努めて集めていない人からするとやっぱり一式は珍しいらしい。また龍耐性がやたら高いことに驚いていた。発掘防具だと案外簡単に+20を超えるので、ジン亜と戦って被弾しても龍やられになることはない。下はポーズをとりながら発掘ネブラ一式を自慢するocelotさんの図である。
イルカさんが発掘一式で「剛弾」「無慈悲」「武闘家」の装備を作り始めた。今まで手に入れた発掘装備の中から強そうな物を見繕っているようだ。お守り次第でプラスアルファがつけられるのだが、僕は手持ちがイマイチで「本気+1」しかつかない。イルカさんはいいお守りを持っているらしく「耳栓(注:うろ覚え。他の有用スキルかも)」がついている。いいなあ。
「本気ってなんだよ〜」と自分のお守りをなじった僕に、「本気はね、戦闘時間が…」とスキル解説をしてくれたイルカさん。人柄のよさが垣間見えるね。
途中眠気が限界に達したKEIさんが退室したが、残る3人はウダウダ雑談しながらも部屋を抜けることができなかった。
こうなってくるといよいよやめ時がわからない。名残惜しくて自分では抜けられないのだ。いっそ9:00で強制終了してくれたらよかったのになどと、己の決断力のなさを棚に上げ出す始末。
気づけばもうすぐ11時だ。雑談したり、並んで記念写真撮ったり。そんな余興に2時間も費やしていた。それでも、まだ語り足りないことがたくさんあった。何年このゲームにつぎ込んだことか。話題が尽きるまで続けるなんて到底無理だ。
ocelot「では、」
ocelot「締めましょうか!」
彼は覚悟を決めたらしい。解散の時だ。
ocelot「ありがとう4G」
イルカ「ありがとう4G」
示し合わせたわけでもなく、自然と合言葉になった。ああ。みんなでこれを言って解散なんだな。
san05「ありがとう4G」
イルカ「最高でした!では!!!!」
イルカさんは去った。とうとう2人だけ。店仕舞いか。
エピローグ
そして唐突にチャットに流れる「リョウが集会所に入室しました。」の一文。
ocelot「あれー?」
リョウ「まだ入れた!?」
san05「ほあー」
ほあー。まだ入れるんかい。さすがオンライン、最後まで何が起こるかわからんな。なんかさっきまでの気持ちが一気に緩んじゃったけど、もう解散することを彼に伝え、彼を見送り、我々も集会所を後にした。
逆に言えば彼の唐突な入室が感極まりすぎていた雰囲気をほぐしてくれた。おかげですんなり抜けられたようなところもある。もちろん彼ともギルカはしっかり交換した。
軽く調べたところ、オンラインにいれば何度でも他の部屋には移動できるようだ。検索してみるとまだ部屋はたくさんあった。でもここでおしまいにしよう。別のところに移動しても、未練が大きくなるだけだ。これ以上後ろ髪を引かれると禿げてしまう。
そして一度オフラインに出てしまうと、もう入ることはできなかった。これで終わりらしい。実感があるような、ないような。
しばらくocelotさんと話し、我々の通話も解散した。
ocelot「それじゃあまた。続きは夢の中で。」
無口なくせに、キザな事言いやがって…。
* * *
とうとう一人になった。寝よう。そう思ったけど全然眠くない。クエスト中はあんなに眠かったのにも関わらずだ。
僕はMMOや所謂ソシャゲの類をやったことがない。ゲームは財産だと思っている人間なので、メーカー都合で遊ぶ権利が取り上げられてしまうことが、とにかくイヤなのだ。このブログの読者ならわかるだろうが、今でもGBAやPSPで遊ぶような人間だ。自分の好きだった世界に何度だって帰りたい。
こういう喪失感は初めてだった。とは言え4Gが遊べなくなったわけではない。サーバーでユーザーデータが管理されているゲームと違って、オンライン機能が停止しただけである。 それだけなのに、これだけ重くのしかかってくるものか…。これを何度も経験している人がいることが信じられないくらい、重い。
僕はリビングの掃除を始めていた。気持ちの整理がしたかったのかもしれない。僕は落ち着かない時掃除をする癖がある。次に台所も掃除して、それでもまだ眠くない。
眠くはないけどさすがに疲れる。徹夜明けの掃除だし、それもそうだ。ベットに横になり、Twitter(X)を見る。みんな4Gが青春だったと呟いている。僕もそうだった。
ああ、青春が終わったのか。この寂しさが腑に落ちた気がした。
画面をスクロールしているうちに、気づいたら寝ていた。
* * *
夢を見た。本当にモンハンの夢だ。強く思えば見れるものか。はっと気づくと、3DSを手に握っていた。
どうやら自分はプレイ中に寝落ちしていたらしい。他にもなんか寝落ちした人を見たような気がするが、なんだったっけ。
やっべと思ったけど、ちゃんとみんないる。ocelotさんとエイタさんが雑談しながら僕が起きるのを待っていてくれた。
そして今日もいつも通り。サ終なんてない。みんなで終わりなきギルクエの旅。そんな夢だった。
2日間の戦利品
この2日間の戦利品は最終的に以下の2本。実際はもっと手に入れているが、間に合わせにも使えないようなものは勘定に入れていない。やはりゴール武器は出なかった。日頃の行いってやつかな?
どちらもいわゆる妥協品であり、ゴール武器には程遠い。「チュクチュク」は武器倍率が上から2番目、状態異常値が3段階の真ん中。「モーターバースト(略:モタバ)」は武器倍率が上から3番目、状態異常値が3段階の最低値。
とはいえ妥協品が取れただけでも上出来ではないだろうか。ギルクエは茨の道。何も取れないだろうというのが当初の予想だった。
なお、モタバの2つ右の操虫棍は「エイムofトリック」。一見強そうで持ち帰ったが、よく見たら虫がダメだったハズレ武器である。
妥協品には違いないのだが、この2本で比べれば圧倒的にチュクチュクの方が高性能。限りなく準ゴールに近いと思う。実際僕の今まで使ってた睡眠ポイズンタバルジンが状態異常値で負け、下位互換になった。また実用に足るチュクチュクは今回が初入手。競合する生産武器は物理重視の睡眠剣、「破滅のキリエ」か。
一方のモタバは本当に妥協品。匠で紫の出る斬れ味、低くはない武器倍率、覚醒不要の爆破属性、強撃瓶。最低限は揃っているんだけど、ほんとにそれだけというギリギリライン。空きスロ3がなければ間違いなく産廃だった。大きな欠けもないのだが、突出するものもとにかく何もない。
生産武器と比べると、これまた空きスロ3が評価点の「ステアライズ=ワンド」とおそらくどっこいどっこい。要するに張り合えるとしても強武器枠ではなく汎用武器枠。毒が効きにくい極限モンスが相手ならワンドよりはこのモタバを担ぐかな、程度。
でもね、実は切り札があるんだ。それはね、思い出補正だよ(投げやり)。